vol.22

刺繍加工

こんにちは、グラニフ生産管理部のKです。

今回は、刺繍についてご紹介します。印刷とは全く違う表現が可能なところが魅力の刺繍加工。刺繍の商品が出来るまでにどのような工程があるのか、刺繍機などの説明もあわせて、解説していきます。

ミシンの種類

刺繍ミシンは大きく分けて「家庭用」「職業用」「工業用」の3種類があります。

「家庭用」は通常のミシンにコンピューターと刺繍枠を取り付けたもので、通常の直線縫いやジグザグ縫いなどの縫製もできます。縫製用ミシンに刺繍機能が付いたようなイメージです。

一方「職業用・工業用」は刺繍専用です。通常の縫製は一切できませんが、家庭用に比べて針数が多く、モーターの性能も高いためスピードが出て生産性が高いという特徴があります。

多頭式工業用ミシン
グラニフの提携工場で使用している工業用ミシンです。12台のミシンがついており、糸を9色までセットできます。

刺繍の設計図「パンチカード」

データをコンピュータに取り込んだ様子

ミシンで刺繍をする際は「パンチカード」というものが必要になります。シルクスクリーンプリントでいう「版」のようなもので、刺繍ミシンを動かすためのデータです。針を刺す数や、針の動きなどを指示する、刺繍の設計図のようなものになります。

「パンチカード」がうまく作られていないと仕上りが悪く、ミシン機本体の性能よりもパンチカードを上手く作るほうが重要、とも言われるほどです。

出来上がったパンチカードを刺繍機のコンピュータに取り込み、刺繍が始まります。

刺繍の種類

刺繍は大きく分けて「フリ縫い(サテン)」「タタミ縫い」「ステッチ縫い」の3通りの表現に分けられます。

こちらの「ナマケモノ」は3種類すべての刺繍表現を使って作られたデザインです。

それぞれ細かく見てみましょう!

※現在、該当商品の販売は終了しています。

■フリ縫い(サテン)
爪の部分が「フリ縫い」です。デザインの端から端までを縫う方法です。細かいエリアを埋め縫いする時に向いています。距離がある場合は引っ掛かりのリスクがあります。

■タタミ縫い
身体の部分が「タタミ縫い」です。文字通り畳のように細かいステッチで面を埋めます。「フリ縫い」に比べて引っ掛かりが少なく耐久性が高いので、面積が多い土台部分に適しています。

■ステッチ縫い
腕の影の部分が「ステッチ縫い」です。通常の直線縫いのような1本のラインの表現です。細かい表現の際に使います。

今回は刺繍加工についてご紹介しました。シルクプリントとは違った魅力を楽しんでいただけたでしょうか。

このほかの刺繍アイテムも、ぜひ細かいところに注目してみてください。

ではまた次回のプリントマニアで。