vol.14

シルクスクリーンの要「スキージ」

こんにちは、グラニフ生産管理部のNです。

今回は「スキージ」についてご紹介します。 「スキージ」とは、版の上にインクを乗せてインクを押し出すための、ヘラのようなものです。なかなか注目される機会がないのですが、シルクスクリーンの中で最も大事な「刷り」の部分を担う道具です。

スキージと印圧

インクを押し出す際にスキージにかける圧力のことを「印圧」といいます。

印圧が高いほど、インクは多く通過して滲みやすくなります。 逆に、印圧が低いほど、インクは少なく通過してカスレやすくなります。

また、印圧はスキージの硬さや角度、スピードによっても変化します。

■硬さ:スキージが柔らかいほど印圧は高く、硬いほど印圧は低くなる。
■角度:スキージの角度を小さくすると印圧は高く、角度を大きくすると印圧は低くなる。
■スピード:遅く刷ると印圧は高く、速くすると印圧は低くなる。

スキージの硬さ

スキージはゴムの硬さによってHardMediumSoftの3種類があります。

<Hard>
シャープな仕上がりを求めるときに使います。 インクが掻き取れるため、細かいパターン(細線等)がシャープに印刷できます。 ただし圧をかけすぎると、インクの載りが薄くなるので注意が必要です。 主に油性で細かいデザインに使用することが多いです。

<Medium>
ほとんどの印刷に使える標準的なスキージです。 水性、油性に関わらず使えます。

<Soft>
インクを多く出したいときに適しています。スキージのしなやかさを生かし、角度を小さく刷ることでインク盛りの良い印刷ができます。 ただし、圧をかけすぎると過剰にインクを押し出し、滲んだり、デザインが潰れたりすることがあります。

それぞれのデザインに対して適切な道具や方法を選び、印圧を一定に保つ手刷りの職人の技術はすごいですね!

ではまた次回のプリントマニアで。