村田昭彦(むらた・あきひこ):明治大学卒業後、1990年にオンワード樫山に入社。その後、ネットプライス、カフェグローブ・ドット・コム取締役COOを経て、2007年にベイクルーズに入社。EC事業の担当役員としてEC事業の売上を拡大させる。その後、オンワードホールディングス常務執行役員に就任。2019年10月に退社後、2020年9月からグラニフの社長に就任し、新生グラニフを率いる。
メンズ、ウィメンズからキッズまで、年齢や性別を問わず、幅広い層に多彩なアイテムを提供する私たち、グラニフ。
創業から20年を経て、2021年9月に“グラフィックライフストア”としてリブランドしました。
社長・村田昭彦が、グラニフの魅力、リブランドまでのストーリー、今後の展望について、お話しします。
漫画やアニメ、ゲームのキャラクター、バンドなどの音楽、さらに著名なイラストレーターや新進気鋭のクリエイターのアートまで…。Tシャツをキャンバスに、自由で遊び心あふれるモチーフのグラフィックTシャツを提供してきたグラニフ。
2020年9月から新社長に就任した村田昭彦はもともと大手アパレル企業でキャリアをスタート、その後ITスタートアップ会社の取締役を経て、再びファッション業界に復帰、アパレル企業のEC担当役員として、EC事業を年率30%拡大させるなど、ファッション×デジタルに精通した経歴を歩んできました。
そんな村田がグラニフに入社して驚いたのは、グラニフを愛するファンの強さ。NPS調査(ネット・プロモーター・スコア調査:顧客が企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるかを図る指標)では、際立ったハイスコアを獲得しています。
多くのファッションブランドのNPSポイントはマイナス、良くて1桁の値がほとんど。それがグラニフは2桁のハイスコアでした。ショッピングセンターで同じフロアに並んでいる他のどのブランドよりもずっと高いのです
アパレル業界での経験から、ブランドへの愛着を育てることの難しさを知りぬいているからこそ、大きなポテンシャルを感じました。
普通、他の誰かと洋服がかぶったら、どこか気まずさみたいなものがありますよね。でもグラニフは逆。むしろ盛り上がるんです。君もそれ好きなの?僕も持っているよ!とか。それは、ファッションブランドの中では本当に稀有なことです
そんな根強いファンに支えられているグラニフ。20周年を機として、リブランディングをスタートしました。
2000年に東京・下北沢に1号店がオープンしてから、「Design Tshirts Store graniph(デザインTシャツストア グラニフ)」として、文字通りグラフィックTシャツを中心に展開し、海外を含めて店舗は100を超えるまでに成長してきました。
そのなかで、村田が新社長に就任してから問い続けたのは「ここで働くみんなは、この会社をどうしたいのか?」でした。
短期ではなく中長期で企業価値を高めるのが私の使命。ですから入社してすぐ、現場スタッフやオフィスの管理スタッフ、さらにデザイナーまで、社歴も職域も幅広く多様なスタッフを集めて、何度もワークショップを開きました。そして、私たちは何をしたいのか?私たちのコアは何なのか?その答えを丁寧に紐解いていきました
そして、わかったこと。
グラニフの人気を支えているのは、あくまでグラフィック。Tシャツはキャンバスの一つであり、そのキャンバスには無限の広がりがあるということです。そのコアが見えたことで、私たちはただのTシャツ屋さんではない、と確信しました。グラフィックを通じて良い暮らしを提案する、それこそ私たちの価値であると
そして、新たなコンセプト「Hi-GRAPHIC, Hi-LIFE.」を掲げ、ロゴも刷新。そこにTshirts Storeの文字はありませんでした。
私たちが提案するのは、ファッションではなく、その先にある豊かな暮らしです。グラフィックアイテムをきっかけに、新たなコミュニケーションが生まれ、それが絆をつくる。そんなライフストーリーをあらゆる人とつくりあげていきたい
例えば、娘のTシャツと同じモチーフのスニーカーをパパが履いてお揃いコーデを楽しむ、初めて会った人が好きなキャラクターのスマホケースを使っていて会話が弾む、リモートワークのオンラインミーティングで映った友達のマグカップが実はお揃いで画面越しに乾杯…そんなワクワクする発信や掛け合いがあれば、暮らしはより明るく色づきます。
グラニフのグラフィックには、4つの要素があると村田は言います。
ニュートラルにさまざまな価値を認める“多様性”、だれかと共有できる“感情”、人とつながる“絆”、遊び心や好奇心を満たす“意外性”。ブランドの一方的な世界観を押し付けるのではなく、あらゆる人にその人らしく、グラフィックアイテムを楽しんでほしい
グラニフには、誰もが自分らしさやセンスを気負いなく表現できるアイテムを取り揃えています。だからこそ愛着が増し、ブランドのファンとして、またお買い物していただけるという好循環が生れると考えています。
グラフィックと並んで私たちの強みと考えているのが“丁寧なものづくり”です。企画の段階から始まっていて、例えば、ある漫画のキャラクターアイテムの担当者になったら、原作を全巻読破してから企画に入ります。だからこそ、このキャラのグラフィックはこうでなくちゃ、というアイディアが生まれます
服を起点に考えるのではなく、まずはキャラクターに向き合うことから始める。グラニフの、思わず心がくすぐられ、『ファン心理を掴む』と評されるアイテムの数々には、そんな背景があります。
プリントの手法もシルクスクリーンやラバープリント、インクジェットなど多種多様な選択肢から、そのグラフィックが活きる最適なものを吟味します。アイテムがそのままアートとして飾れるレベルになっているか?それが商品として合格かのジャッジポイントです。1つのものが生まれるプロセスに、ここまで時間をかけてこだわるのはグラニフならではと言えます
そんな新しい「グラニフ」を最も体験できる旗艦店が、原宿にオープン。さらに11月には公式オンラインストアもリニューアルされ、オリジナルデザインのグラフィックアーカイヴから注文できるオンデマンドプリントサービス「graniph Graphic Factory」も新たに始動します。グラフィックライフを楽しむ幅を広げていきます。
日常に驚きや発見、ワクワクが生まれ、自分も周りの人も気分よくいい暮らしの実感が得られる。グラニフのアイテムをきっかけに、そんなあなたらしいグラフィックライフを楽しんでもらえればと思います
グラフィックライフストアとして生まれ変わった新生グラニフにご期待ください。